
障害物は体力があれば必ず越えられるわけではなく、動き方を知っているかどうかでタイムも消耗も大きく変わります。ここでは代表的な障害物について、握力と体力を温存するコツを整理します。全障害物の一覧とペナルティは障害物一覧とペナルティを先に確認してください。
ロープクライム:足でロープを固定する「Jフック」
腕力だけで登ろうとすると、多くの人が半分も登らないうちに握力が切れます。鍵になるのは足でロープを固定する技術です。
- 片足の甲(足の甲側)でロープを引っ掛け、もう片方の足でその上から挟み込むようにロープを固定します(これが「Jフック」と呼ばれる足の絡め方です)
- 足がロープを固定している間に、手を交互に上へ送ります。手だけで体を引き上げるのではなく、足で体重を支えながら少しずつ登るイメージです
- 下半身の力を使うことで、腕だけで登るより長く・速く登れます
普段の練習では、公園の登り棒やジムのロープで、この足の使い方だけを繰り返し練習しておくと本番での消耗が大きく変わります。
ロープクライム・有刺鉄線くぐりで手のひらを守り、握力の消耗も抑えられます。
マルチリグ:勢いを止めない
マルチリグは吊り下がったリング・バーを渡り歩く障害物です。一つ一つの動きで止まってしまうと、握力が持ちません。
- 次のホールドに手を伸ばす前に、体を軽く振って勢い(スイング)を作ってから移動します
- 目線は次のホールドより1つ先を見ておくと、動きが止まりにくくなります
- 握力に不安がある場合は、リングを強く握りしめすぎず、引っかける程度の力加減を意識してください
スピアスロー:狙いを定めて振り子のように投げる
スピアスローは的(干し草の束)まで20〜30フィート(約6〜9m)離れた位置から槍を投げる障害物です。失敗すると30回のバーピーのペナルティがあります。
- 利き手で槍の後方を持ち、投げる前に2〜3回、体の前後に振り子のように動かしてタイミングを合わせます
- 投げる腕と同じ側の足を一歩踏み出しながら、体重を前に移動させて放ちます
- 的の中心よりやや上を狙うと、槍が的に刺さりやすくなります
本番で当てられなくても、Open部門は30バーピーで切り替えられる設計です。無理に何度も狙い直すより、早めに切り替える判断も大切です。
壁(4ft/6ft/8ft):勢いをつけて乗り越える
高さの異なる壁を乗り越える障害物です。助走をつけて壁に近づき、片手を壁の上にかけながら、反対側の脚を振り上げて体を持ち上げます。腹这い(腹を先に壁の上に乗せる)ようにすると、腕力だけに頼らず乗り越えやすくなります。高い壁ほど助走の勢いが重要になるため、減速しすぎないよう距離感を意識してください。
モンキーバー:体幹でリズムを作る
腕だけで渡ろうとすると握力がすぐに切れます。体幹を使って体を左右に振りながらリズムよく手を送ると、1回あたりの握力の負担を減らせます。手のひら全体でバーを包むより、指をしっかり巻きつける方が安定します。
サンドバッグ・バケツ・アトラスキャリー:フォームを崩さず歩く
重量物を運ぶ系の障害物は、握力よりも姿勢がタイムを左右します。
- 胸を張り、荷物を体に近づけて持つことで、腰への負担を減らせます
- 一定のペースで歩き続ける方が、走って疲れて何度も止まるより結果的に速くなることが多いです
- 握力が限界に近づいたら、無理せず一度置いて握り直す判断も必要です
有刺鉄線くぐり:低い姿勢を保つ
腹這いで進む障害物です。頭や腰を上げすぎると有刺鉄線に引っかかるため、肘と膝を使って体を低く保ちながら進んでください。泥の中を進むことが多いため、トレイルランニングシューズのグリップ力もここで活きてきます。
練習で技術を体に入れる
これらのコツは知っているだけでは身につきません。公園の遊具(登り棒、うんてい)や自宅でできる動きに置き換えて、実際に体を動かしながら練習しておくことをおすすめします。練習メニュー全体の組み立て方は練習の始め方で解説しています。大会まで1ヶ月ほどの人は、週ごとのメニューをまとめたSprint完走まで4週間の練習計画も参考にしてください。公式コーチの指導を直接受けたい場合は、東京・神奈川のSGX練習会まとめで開催中の練習会を確認してください。





