
XENOM(ゼノム)とは|HYROXとの違い、10種目、参加費、日本から出る方法
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2026年に入って、海外のフィットネス系メディアで「XENOM(ゼノム)」という名前を見かけることが増えました。CrossFit公認の新競技で、「フィットネスの十種競技」を名乗り、HYROXと同じ「固定フォーマット」を採用しています。日本語の情報はまだほとんどありません。この記事では、XENOMがどんな競技か、HYROXと何が違うのか、実際にどれくらい盛り上がっているのか、日本から参加するには何が必要かを、公式発表と海外メディアの報道をもとに整理します。
XENOMとは:CrossFit公認の「フィットネスの十種競技」
XENOM(読み方は「ズィーノム」、日本語では「ゼノム」と表記されることが多い)は、2026年2月27日に正式発表された新しいフィットネス競技です。創業者はCrossFit Level 2トレーナーのキース・バーロウ氏で、HYROXの成長期に広報面で関わった経歴があります。
投資会社WndrCo(ドリームワークス共同創業者ジェフリー・カッツェンバーグ氏らが設立)が主導するシード資金1,500万ドル(約22億円)を調達し、CrossFit LLCから「CrossFit Partner Event Series」のライセンスを受けて運営されています。クロスフィット公認の大会シリーズであり、CrossFit Gamesの一部ではない、という位置づけです。
競技コンセプトは陸上の十種競技そのものです。最大筋力・有酸素能力・体操系のスキル・精神的な粘りを、固定された10種目で測り、1つの総合スコアにまとめます。
競技フォーマット:2日間で固定10種目、EPIで採点
XENOMの基本構造は次の3点です。
- 2日間で10種目:土日の2日間で、事前に公開された10種目をすべてこなします
- 全大会で種目が同じ:ダラスでもロンドンでもパリでも、同じ10種目・同じ基準です。CrossFit Gamesのように「当日まで種目が分からない」ことはありません
- タイムではなくポイントで採点:各種目に「エリート基準=1,000点」が設定され、基準に対する達成率で得点化します。基準を超えれば1,000点以上も出ます。10種目の合計がEPI(Elite Performance Index)で、大会をまたいで持ち越され、シーズンを重ねるごとに自分の成長曲線を追えます
この「固定フォーマット」と「持ち越せるスコア」はHYROXがヒットした要因そのものです。XENOMはそれをクロスフィット寄りの種目に適用した、と考えると分かりやすいです。
10種目の内容
初回のダラス大会に向けて公表されたエリート部門の種目構成です。各種目に制限時間(タイムキャップ)が設定されており、AMRAPは「制限時間内に何ラウンドできるか」を競います。
| 種目 | 内容 | 制限時間 |
|---|---|---|
| スナッチ1RM | 4回の試技で最大重量を狙う(試技間隔90秒) | 9分 |
| ウォールウォーク+ロープクライム | 2+1、4+2、6+3…と回数を増やす昇順ラダー | 8分 |
| エコーバイク | 60秒間の最大カロリー | 60秒 |
| バーベルサイクリング | デッドリフト12・フロントスクワット9・ショルダートゥオーバーヘッド6・スラスター3を繰り返す | AMRAP |
| ラン3km+スキーエルグ2km | 連続で行う有酸素種目 | 制限なし |
| 体操系トリプレット | トゥ・トゥ・バー、ダンベルハングスナッチ、マッスルアップの組み合わせ | 7分 |
| バーピー+スキー+バイク | バーピー30回、スキー、バイクを交互に繰り返す | 12分 |
| クリーンラダー | 重量を上げながら10-8-6-4-2回、最後は最大回数 | 8分 |
| 混合AMRAP | 逆立ち腕立て6・チェストトゥバー8・ダンベルランジ12を繰り返す | 16分 |
| 未公表枠 | 発表時点では「最後の1種目」として伏せられていた | ― |
HYROXの8種目(8種目と重量表参照)と比べると、スナッチ・クリーン・マッスルアップ・ロープクライム・逆立ち腕立てなど、技術習得に時間がかかる種目が大半を占めることが分かります。
なお、ダラス開催の約1ヶ月前(2026年5月)に複数の種目基準が引き下げられました。ロープクライムの高さは14フィートから10フィートへ、クリーンラダーの重量は男子100〜150kgから60〜100kg(女子75〜100kgから35〜70kg)へ変更されています。初回大会を前に「参加できる人を広げる」方向の調整が入ったということです。
3つの部門(Elite / RX / Compete)
| 部門 | 対象 | 位置づけ |
|---|---|---|
| Elite | トップ選手 | 最も重い重量と最も厳しい動作基準 |
| RX | 経験者 | 標準の競技基準 |
| Compete | 一般参加者 | 重量と動作の難易度を下げた「スケール版」。ただし10種目すべてを行う |
いずれの部門も個人または同性ペアで参加できます。HYROXのオープン部門にあたるのがCompeteですが、種目自体は変わらないので、Competeでもマッスルアップや逆立ち腕立ての代替動作を含む10種目をこなす必要があります。
HYROXとXENOMの違い
「HYROXがフィットネスのマラソンなら、XENOMはアイアンマン」という表現が海外メディアで使われています。主な違いを表にまとめます。
| 項目 | HYROX | XENOM |
|---|---|---|
| 種目数と所要時間 | 8種目+ラン8km、1日で60〜120分 | 10種目、2日間 |
| 種目の固定 | 世界共通で固定 | 世界共通で固定 |
| 必要なスキル | 走力と基礎的な筋力 | オリンピックリフト、マッスルアップ、逆立ち腕立て、ロープクライムなどクロスフィット由来の技術 |
| 採点 | 完走タイム | 10種目の合計ポイント(EPI) |
| 部門 | オープン/プロ、シングル/ダブルス/リレー | Elite/RX/Compete、個人/同性ペア |
| 完走のしやすさ | 非常に高い(時間制限がほぼない) | 種目ごとに制限時間あり。技術種目で回数が伸びないこともある |
| 参加費(目安) | 2万円台〜(参加費の詳細) | ダラス500ドル、ロンドン129〜199ポンド |
| 日本開催 | 年2回程度(大阪・名古屋) | 発表なし |
| 運営 | Upsolut Sports(ドイツ) | XENOM(CrossFit公認パートナー) |
| 累計参加者 | 160万人超(創業者談) | 初回ダラス372人 |
要するに、HYROXは「走れて、押せて、引ければ誰でも完走できる」設計で、XENOMは「クロスフィットで一通りの動作ができる人が、自分の総合力を数値化しに行く」設計です。競技としての難易度も、参加のハードルも、XENOMのほうがはっきり高くなっています。
クロスフィット・スパルタンレースを含めた3競技の比較はHYROXとクロスフィット・スパルタンレースの違いで解説しています。
開催実績と今後の日程(2026〜2027年)
| 大会 | 日程 | 会場 | 状況 |
|---|---|---|---|
| ダラス(米テキサス州フリスコ) | 2026年6月27〜28日 | Ford Center at The Star | 開催済み。372人が参加 |
| ロンドン(英国) | 2026年8月29〜30日 | Olympia London | 開催済み。定員2,000人、抽選登録は2,000人超 |
| マイアミ(米フロリダ州) | 2026年12月19〜20日 | Miami Beach Convention Center | エントリー受付中 |
| マラガ(スペイン)・パリ(フランス) | 2027年初頭 | ― | 予定。2027年は8〜10大会を計画 |
初回のダラス大会では、Elite個人の優勝者にそれぞれ25,000ドル(ペアは1チーム12,500ドル)の賞金が出ました。男子はジャック・ファーロウ選手(EPI 7,688)、女子はアビゲイル・ドミット選手(EPI 8,076)が初代の「基準スコア」を作っています。ロンドン大会には元CrossFit Games王者のサム・ブリッグス選手や、2026年CrossFit Games4位のケリー・フリール選手も出場しており、トップ選手の参入は早い段階から進んでいます。
長期的には「世界で60大会」を目標に掲げていますが、2026年9月時点で日本を含むアジアでの開催予定は公表されていません。
「海外で流行っている」は本当か
XENOMは資金・公認・トップ選手の3点が揃ったスタートで、フィットネス業界メディアの注目度は高いです。一方で、実際の参加者数を見ると、まだ立ち上がり段階であることも分かります。
- 初回ダラスは定員2,000人に対して参加372人でした。「スタジアム規模」を掲げた初回としては控えめな数字です
- 参加費はダラスの500ドルからロンドンでは129〜199ポンドへ大幅に引き下げられました。価格設定を試行錯誤している段階です
- 開催直前に種目基準を緩和しました。前述のロープクライムやクリーンラダーの変更は、当初の設定では参加できる層が狭すぎた、という判断と読めます
- ロンドンは登録段階で2,000人超と、クロスフィット文化が強い英国では初回から反応がありました
まとめると、「クロスフィット経験者の間で話題になり始めている」は正しく、「HYROXのように一般層に広がっている」はまだ早い、というのが2026年9月時点の実態です。HYROXも2017年のドイツ初開催から日本初開催(2025年横浜)まで8年近くかかっているので、XENOMが日本に来るとしても数年単位で見ておくのが現実的です。
日本から参加するには
現時点で日本から出場するには、海外大会への遠征しかありません。直近ではマイアミ(2026年12月)、その後はマラガ・パリ(2027年初頭)が候補です。エントリーは公式サイト(xenom.global)からオンラインで行い、抽選枠が先行し、残りが一般販売される方式です。
参加を検討するなら、次の3点を先に確認してください。
- クロスフィット経験があるか:Compete部門でも、スナッチ・クリーン・体操系動作(代替動作を含む)が10種目に散らばっています。HYROX経験だけでは種目の多くで得点が伸びません
- 2日間の日程が組めるか:HYROXは半日で終わりますが、XENOMは土日を丸ごと使います。遠征費は宿泊が1泊増える前提で見積もってください
- EPIをどう使うか:XENOMの価値は「毎回同じ種目で自分の総合力を数値化できる」点にあります。一度出て終わりではなく、シーズンをまたいで追う前提の競技です
逆に、「まず大会に出て完走の達成感を得たい」「走力と基礎筋力で勝負したい」という人には、日本で年2回開催されているHYROXのほうが圧倒的に始めやすいです。HYROXの始め方は初めてのHYROX完全ガイドにまとめています。
まとめ
XENOMは、HYROXの「固定フォーマット」をクロスフィット寄りの10種目に適用した新競技です。CrossFit公認・1,500万ドルの資金・トップ選手の参加という条件は揃っていますが、初回の参加者数や価格改定を見ると、まだ立ち上がりの途中にあります。日本開催の予定はなく、日本から出るなら海外遠征が前提です。クロスフィット経験者で「自分の総合力を数値で追いたい」人には面白い選択肢になりますが、初めてのフィットネス大会としては、HYROXから入るのが現実的です。
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XENOMの種目基準・日程・参加費は大会ごとに更新されています。当ページの情報は2026年9月時点の公式発表と海外メディアの報道にもとづくもので、最新情報は公式サイトで必ず確認してください。



